●内容：   …勿論当時の漱石には、自分は早晩是で命をとられるのだといふ自覚よりも、自分が生き返った嬉しさの方が、遙に強く、遙に直接に動いてゐたやうである。然し漱石は、爾後毎年のやうに、同じ病に襲はれ続ける。漱石がいくらかでもそれを忘れかけさうになってゐると、わざわざその事をはっきり思ひ出させようとするかのやうに、出血・吐血がどっと来て、漱石は必ず一ト月とか、二タ月とか、床に就かなければならなくなってしまふのである。その為め漱石は、是までの人生観を一変せざるを得なくなった。少くとも漱石は、絶えず死を自分の眼の前に置いて、それと対決し、それと自分の生とを何等かの意味で融合調和させるのでなければ、落ついて生きてゐる事が出来ない窮地に押しやられる。さういふ漱石の特殊な他県の第一歩を描き出してゐるものが、この『思ひ出す事など』である。その『思ひ出す事など』を生み出した母胎としての、この「修善寺日記」である。（小宮豊隆「解説」より）   ●著者：夏目漱石

●発行：岩波書店

●昭和２６年３刷発行

●サイズ：文庫（厚さ１．１センチ）
                                  
●状態：カバーのない旧装幀版、帯・売上カード付き、ページひどい日焼け・しみ、鉛筆・赤鉛筆で傍線と書き込みあり、裏表紙上部３センチほど破損
●重量：９９ｇ

●送料：無料

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●古物商許可証番号●
愛媛県公安委員会許可第821090000311号AKa7019◆隼◆日本刀　鳥府住　正充銘入　古い鍔　刀装具　当時物　侍　武士　旧家蔵出骨董初だし