新品です。2003年12月発行
全5冊 輸送用専用箱入り(画像2をご覧ください。こちらを別の箱に梱包してお送りします)落札後はノークレームノーリターンでお願い致します。発送はヤマト運輸宅急便を予定しています。将来昭和の“易学史”が書かれるとすれば、仁田丸久の名前と二つの講義録(『周易裏街道』・『うらおもて周易作法』)を逸すことはないことを確信する
『うらおもて周易作法』『呪術とその背景』・『周易裏街道』に続き、仁田丸久氏の講義録復刻も、本書「うらおもて周易作法」で3冊目となる。 氏は関西の実業界に身を置きつつ、長らく研究を続けておられた「易」等の講義をごく少数の方々にされていた。それを和文タイプに打った「講義録」が延べ232冊にも及んでいる。 生前「『僕が亡くなったらこの本の価打が出ます』とおっしゃたことがありました」とのお弟子さんの追憶の言葉があるが、まさにその通りである。「周易裏街道」講述後、十年目にして始まった、この「うらおもて周易作法」は前回とどこが違うのであろうか?「今回は『うらおもて』にて読了されれば誰でも易占の上で腕を上げ得る点を狙っています。茲十年間ひとりコツコツ学んできたものです。『裏街道』で説いた事は一切触れません。」また、「他で聞けるようなことはなるべくいわないことにして、ここでは実力養成を主にしていきたいと思います。……七〇〇年来伝わってきた易説に反対するようなこともいいます。」と述べる。 氏の説く易説の面白さはなんといっても、儒教あるいは易占といった従来の枠をブッ飛んだところにある。その、ブッ飛び方に付いていけない方もあろうかとは思うが、“仁田易”の本領はそこにあるといって間違いない。 「うらおもて」の“うら”たるゆえんである。 さすがに長年「易」を研究してきた方の講述の仕方は違うものだ、と感心したことを覚えている。氏の講述は、実占家に対してまさに懇切丁寧であるだけでなく、具体的である。「“凶”は“吉”の母なり」(友清歓真「山店抄」)を手がかりに、凶から吉が生まれると説く件は、八宗兼学であった氏の独壇場であろう。 その腕を上げるにはどうしたらよいかをも氏は説いてくれている。 第十九回のテーマは「私は如何にしてカンを開発してきたか」であって、「われわれが易の勉強をしていく上で、このカンは非常に大切なものですから、できるだけ分かり易いようにしてこのカンを養う方法を説いていきます。」と、沢山咸の卦爻辞に引っかけて具体的にそのやり方を述べる。その際歌舞伎の所作事の秘伝を引く辺りは、もう何といっても“仁田節”の真骨頂といってよいであろう。 氏が戦前から培った日本文化・芸能の素養・教養はまさに氏の血となり肉となっており、それがそのまま「易」に生命を吹き込んでいる感がするのは筆者だけではないであろう。将来昭和の“易学史”が書かれるとすれば、仁田丸久の名前と二つの講義録(『周易裏街道』・『うらおもて周易作法』)を逸すことはないことを確信するとともに氏の学恩に感謝して筆を擱く。
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