明治期に撮影・プリントされたオリジナルの大判手彩色写真で、鶏卵紙の写真に着色され、横浜写真と呼ばれています。

"B217 MOTOKAGOCHO, NAGASAKI"。キャプションは本籠町となっていますが、手前の店の看板には船大工町28などとあり、船大工町から本籠町を眺めた風景と判ります。

英文・露文の看板が並ぶ外国人向けの商店街で、看板を読んでいくのも楽しそうです。左手前の写真店には大判手彩色写真が飾られています。

長崎大学古写真データベースの同一写真によると撮影者未詳。以下その解説抜粋です：ここは大浦居留地と長崎の繁華街を結ぶ本籠町から船大工町の外国人向け商店街である。明治30年頃である。右側の商店は手前から金銀細工所の「イトキ」の看板が英語とロシア語で読める。その奥は今村刺繍店、荒木理容店で、あとの1軒は読めないが理容店である。左側手前の商店は写真・アルバム・額縁屋の白山。店先に高鉾島や大浦海岸通等の写真が陳列されているのは古写真研究上興味深い。船大工町29番の白山商店が明治30年代には着色写真アルバムを販売していたわけである。横浜のファサリ商会の代理店だったのであろうか。その奥には雑貨屋西田の英語看板が読める。街路には人力車で来た外国人夫妻が、日本人紳士に案内され写真のポーズを取っている。白山は写真撮影も手がけたのであろうか。奥の本籠町には明治27年から大きな為政写真館が開店していた。

海外に持ち帰られた後に里帰りしました。26cm×20cm。状態：経年による軽い変色があります。画像上で判らない瑕疵があった場合は返品に応じます。