御覧のような豪華絢爛細密書き込みの九谷焼。年代は書き込みの丁寧さや精密さを見ると明治時代頃か（？）黒と赤の呉須で線描きして８彩（通常は５彩）赤・黄・緑・紫・紺青・金・オレンジ・黒に加えて緑だけでも薄緑・中緑・濃緑と濃淡3色の絵付けがされていて見応え充分。見込みには赤色・青色・紅色の牡丹の中に金色の唐獅子２匹が異なるポーズで描かれている。さらに４個の丸窓には４種類の花が手を込んで描き込まれ手の込んだ逸品である。ニューやホツも無く色剥がれもほとんど無い。口縁の周りは赤色（朱色）に塗られ金色で細かい文様が丁寧に描かれ古き良き時代に導かれる。外面は片側半分が見事な花尽くしで、これまでかと書き込まれ、もう片側反面はブドウが見事なデザインで描かれると言う手が込んだ深鉢。更に窓絵の中には牡丹を背景に２匹の鶏が描かれ、どこを見ても見応え充分。使うには、もったいない器だが飾っても乾き物を入れても役立つが、これまで使い込まれていないので擦り傷や汚れも無い。高台に一か所、茶色い窯傷のような物があるが汚れでは無い。器は歪みも無く座りもピッタと安定して座る。新しい時代の九谷焼とはまた違う味わいである。